最近、自宅の押し入れに眠っているモノを見直す人が増えてきました。不要品を捨てる代わりに売却して現金に換える動きが広がり、それが家計に役立つという声も少なくありません。

こうした中古品の売買を通じた「リユース市場」は、単なる節約手段というだけでなく、実は資産運用の観点からも注目されています。

家庭内の「持ちモノ資産」という新しい視点

リユース市場を資産運用の一部と捉える上で欠かせないのが、家庭内に眠る「持ちモノ資産」の存在です。普段使わなくなった洋服やバッグ、家電や趣味の品などを、ただ保管しているだけでは価値を生みません。

しかし、これらを売却できる市場があることで、資産としての意味が生まれます。

眠っている資産の規模

家庭内で保有されているモノを金額換算した「持ちモノ資産」は、1人当たり平均約182.4万円、総額は推計約216兆3925億円にも上るといわれています。これだけの規模の資産が各家庭に存在しながら、多くは活用されていないのが現状です。

たとえば、数年前に買った高価なブランドバッグや、一度しか使わなかった家電製品など。購入時には高額だったものの、使わずに眠らせているだけでは価値が下がるばかりです。

リユース市場では、こうした品物を必要としている人に譲ることで、再び価値を生み出せます。

リユース市場の拡大と将来性

2023年のリユース市場規模は前年比7.8%増の3兆1227億円で、2030年には4兆円のマーケットに拡大すると予測されています。市場が拡大しているということは、売りやすく買いやすい環境が整ってきている証拠でもあります。

フリマアプリの浸透によって、誰でも気軽に中古品の売買に参加できるようになりました。

リユース市場を活用した家計の見直し

資産運用というと株式や不動産を思い浮かべがちですが、リユース市場の活用も立派な家計管理の一部です。特に、定期的に不要品を売却することで、継続的な収入を得られる点は見逃せません。

フリマアプリで実現する家計改善

不要になったものをフリマアプリで売却し、代わりに必要なものを購入することで、家計の支出を抑えられ、ものも増えないサイクルが実現できます。こうした循環を意識すると、モノの購入時から「将来売却できるか」という視点が生まれ、無駄遣いが減る効果もあります。

活用方法 メリット 注意点
定期的な不要品売却 継続的な収入が得られる 出品・発送の手間がかかる
高額品の計画的売却 まとまった金額を得られる 市場価格の変動に注意
リユース品の購入 支出を抑えられる 商品の状態確認が必要

売る前提で購入する意識

リユース市場が活発になったことで、「売る前提で買う」という消費行動が広がってきました。新品を購入する際に、数回使ったあと売却することを想定し、リセールバリューが高い商品を選ぶ人が増えています。

これは、モノの購入を投資と捉える考え方に近いといえます。

たとえば、流行のファッションアイテムをシーズン中だけ使い、シーズンが終わったら売却する。子供の成長に合わせてベビー用品を購入し、使い終わったらすぐに次の家庭へ。こうしたサイクルを繰り返すことで、出費を抑えながら常に必要なものを手元に置けます。

資産運用の一部としてのリユース活用法

リユース市場を資産運用として活用するには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

価値が下がりにくい品物を選ぶ

資産運用として考えるなら、購入時から売却を見据えた品選びが重要になります。ブランド品や限定品、人気の家電製品など、需要が高く価値が下がりにくいものを選ぶことで、売却時の損失を最小限に抑えられます。

逆に、流行が過ぎやすいものや需要が限られる品物は、短期間で価値が大きく下がるリスクがあります。

  • ブランド品(バッグ、時計、宝飾品など)
  • 状態の良い家電製品
  • コレクション性の高い趣味の品
  • 子供用品(ベビーカー、チャイルドシートなど)

適切なタイミングで売却する

リユース市場では、売却のタイミングも重要です。季節商品は需要が高まる時期の少し前に出品すると売れやすくなりますし、新モデルが出る前に旧モデルを売ることで価格の下落を避けられます。

市場の動きを見ながら、最適な売却時期を見極める力が求められます。

複数の販路を使い分ける

フリマアプリだけでなく、買取専門店やオークションサイトなど、商品に応じて販路を使い分けることも大切です。手間をかけずにすぐ現金化したいなら買取店、高値で売りたいならフリマアプリやオークションといった具合に、状況に応じて最適な方法を選びます。

リユース市場活用の注意点

リユース市場を資産運用の一部として考える上で、いくつか気をつけたい点もあります。

手間と時間のコスト

フリマアプリで売却する場合、商品の撮影や説明文の作成、購入者とのやり取り、梱包や発送といった作業が必要です。この手間を時給換算すると、思ったより効率が悪いこともあります。

高額商品ならともかく、数百円の利益のために何時間もかけるのは本末転倒かもしれません。

売却金をどう扱うか

リユース市場で得た収入は、臨時収入として貯蓄に回すのか、それとも生活費として使うのか。この使い道をはっきりさせないと、家計管理がぶれてしまいます。資産運用の一部と位置づけるなら、得た金額を記録し、計画的に活用することが大切です。

買いすぎのリスク

「売れるから」という理由で、必要以上にモノを買ってしまうケースもあります。リユース市場があるからといって、無計画な購入を繰り返せば、結局は支出が増えるだけです。

あくまで、本当に必要なものを購入し、不要になったら売却するという基本を忘れないようにしましょう。

中古リユース市場は、今や3兆円を超える規模にまで成長し、今後も拡大が見込まれています。この市場を上手に活用することで、家庭内の眠っている資産を有効活用し、家計の改善につなげることができます。

モノを売る・買うという行為を、単なる消費ではなく資産運用の一部として捉え直すことで、より計画的で無駄のない家計管理が実現できるでしょう。